Gouveia Art Rock 2009 (Portugal)
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2006年の5月から6月にかけてフランス、イタリアをツアーしたアストゥーリアスのレポートです。参加したフェスのレポートは、フェスの項目と重複して載せています。ROMA公演レポートは初出です。
5/27 Prog'Sud, Marseille公演
アストゥーリアスは、スケジュールの都合でProgSud2006最終日のトップに登場。ヨーロッパ初ライブはやや緊張気味に始まるも、スタートすれば手練れの人たちなので、すぐにペースに乗る。反応はメキシコと似ていて、お客は最初はアコースティックにちょっと戸惑い、でも優美なメロディーが心の中に序々に浸透していくようだった。終わってみれば大歓声。大山さんのフランス語棒読みMCも受けてた。このあたりの配慮は結構重要なんだよね。南仏はパリあたりに比べて英語を話す人が少ないし。当然アンコール。写真
5/28 Roma公演
イタリアの都ローマでの公演は、大学が近くクラブが集まっているサン・ロレンツォ地区にあるTumbler。前衛芸術団体のホールでの公演が直前に相手の事情でキャンセルされたため、知り合いのローマのバンドAcustimanticoに急遽ブッキングしてもらった。30席くらいの小さなパブで、エレピを載せるとほとんどいっぱいになる小さなステージが片隅にあり、それでも小さなPAがあってバランスはよかった。
AcustimanticoのマネージャーとヴォーカリストRaffaellaがメールで宣伝してくれたおかげで、Tumblerは満員になった。二つのバンドは、どちらもアコースティックで音楽性が近い部分があり、お客も大満足で割れんばかりの拍手でライブは続いた。アストゥーリアスの1時間のセットのあと、Acustimanticoのメンバーがゲストに入って演奏する。アストゥーリアスの「邂逅」に、Acustimanticoのギターとパーカッション、さらにAcustimanticoの数曲にRaffaellaを加えて演奏した。RaffaellaはCDで聴くよりもずっと情熱的に歌い上げるシンガーだった。お店の人たちもアストゥーリアスを随分気に入ってくれて、暖かいライブだった。北イタリアに比べてローマはずっと人間臭い街だ。感情表現が直接的で、いいものに対しては本当に素直に喝采してくれる。写真
6/2 Heron Prog, Novara公演
ミラノ近郊のノヴァラで開催されたイタリアのプログレフェスに出演。この日のトリはArti e Mestieri。タイムスケジュールが大幅に狂い、サウンドチェックはやはり本番直前になる。ちょっと音を出してすぐ本番。8時半ごろでやっと夕闇迫る会場でのスタートとなった。演奏開始間際に、藤本美樹が忘れ物を取りに楽屋に引っ込む。これで皆さん緊張が取れてリラックスして始められたようだ。1時間の演奏中に、公演の奥の森の中で談話していた人たちが集まってきてだんだん会場が埋まってくる。やはり、「邂逅」や「Birds Eye Vew」の評判がよく、拍手が多い。最後にはアンコールを受けて、ツアー最終日を無事に終えたのでした。終演後には、参加全バンド、特にメキシコで同じ舞台に立って以来のアルティーの面々が賞賛しに来ていた。写真 インタビュー ライブレポート
リーダーの大山さんは、さっそく日記を書き始めました。筒井さんのところにも少し載っています。各メンバーも日記を書く計画があるそうです。
●6/17には鎌倉で凱旋ライブがあります。
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2006年5月28日、イタリア、ノヴァラ市内の特設野外会場でのフェスティバルの模様
Vinyl Magicが90年代に開始したNew Italian Progressiveの代表格としてデビューしたカステロは、今回の主催者で通産6枚目のアルバムを会場で発表していた。74年に18歳前後で結成してからしぶとく活動している。メンバーは、2004年発表のCD「QUINTESSENZA」から変化はない。
それでライブなんですが、いや、その、見ることはおろか聴いてませんでした。運営上の都合で、なんと、5時ごろにサウンドチェックの直後に2曲演奏したのが本番だったとは。なんでもメンバーの一人がオーケストラの仕事でライブの直後に、ノヴァラを発たなければならなかったのだけど、設営やサウンドチェックなど全てが(イタリアの常で)遅れたためにそうなったそうな。本番っぽいMCがあったので、アストゥーリアスの面々には「なーに、イタリアではかっこつけてMCのリハまでやるらしいよ」としたり顔で説明して恥をかいてしまった。公演の自然の中で空を見上げて寝ている時に演奏していた2曲は、彼ららしい美しいメロディーとたたみかけるようなイタリアンロックの典型的な構成を持った、いい曲でした。
Calliope
カステロと同様に、Vinyl MagicのNew Italian ProgressiveAsturiasの代表格だったバンド。Vinyl Magicの後は2002年にBeppeのElectromanticレーベルから今のところの最新作「GENERAZIONI 」をリリースしていて、このあたりもカステロに似ている。両バンドともBeppe子飼いなのだろう。つまりは、このフェス自体がBeppeの地域でBeppeの師弟が身内を集めて開催しているようにも見える。
さて、このCalliope、1999年にもライブを見ているのだが、メンバーの出入りが多くて、サウンドも頻繁に変っているようだ。4枚リリースしているCDのうち、ファーストとセカンドは脱退したキーボード奏者主体の突っ走り型イタリアンロック、サードとフォースは地中海音楽。しかし、直前のサウンドチェックから続いて当日演奏されたのはRUSHかと思うような、イタリア的要素はかなり少ないハードプログレ。年間10回ライブ出演しているというだけあって、技術やアンサンブルはなかなかいい。現在はサードから参加しているキーボード奏者Enrico Perrucciがリーダーで、フォースアルバムに参加しているメンバーでさえ、残っているのは彼だけになってしまっている。1時間ほど演奏。
アストゥーリアス
タイムスケジュールが大幅に狂い、サウンドチェックはやはり本番直前になる。ちょっと音を出してすぐ本番。8時半ごろでやっと夕闇迫る会場でのスタートとなった。演奏開始間際に、藤本美樹が忘れ物を取りに楽屋に引っ込む。これで皆さん緊張が取れてリラックスして始められたようだ。1時間の演奏中に、公演の奥の森の中で談話していた人たちが集まってきてだんだん会場が埋まってくる。やはり、「邂逅」や「Birds Eye Vew」の評判がよく、拍手が多い。最後にはアンコールを受けて、ツアー最終日を無事に終えたのでした。終演後には、参加全バンド、特にメキシコで同じ舞台に立って以来のアルティーの面々が賞賛しに来ていた。
Arti e Mestieri
トリは地元の英雄アルティ。セットリストは来日時と同じだったそうだが、相変わらず圧倒的な迫力で一曲目から飛ばしまくる。アルティ観戦6回目となるぼくは、今回は広い会場のいろいろなアングルで見て回ったのだが、やはり関係者特権でバックステージエリアに入り、ドカドカ打っているキリコの真後ろから見たときがもっとも凄かった。ちなみに、英語だと無口なキリコでもイタリア語では結構MCで話していた。ベッペはメロトロンや古いオルガンは持ち込まず、デジタルキーボード類を並べている。地元なので自分の機材だろうから、これが本来のライブセットなのかも。アルティは今年初ライブだそうで、イタリアでも資金面、運営面などでアルティのライブはそう簡単に運営できないのかもしれないことをうかがわせた。二時間たっぷり演奏して、終演時には真夜中を過ぎていた。街中から程近いのに、午前1時まで音だしがOKとのこと。このあたりはラテン圏内に共通していて、宵っ張りで、音楽に対しては理解がある。
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北イタリア、ノヴァラで2006年6月2日に開催されたHeron Prog vol.1にはつぎのバンドが出演した。
会場はミラノから電車で40分ほどの近郊にあるノヴァラ市の、市の中心から800mほどの街外れにある公園に設営されたオープンエアフェスティバルだった。ノヴァラは日本の観光案内にはほとんど登場しないが、名所がそこそこあり、ロマンチックな街並みがきれいに整備されている心地よい街だった。会場は丘の上の教会と自然に囲まれた広い公演の一角に大きなステージを設営して、1万人クラスの観客が収容できる広大なもの。
Heron Progは、一ヶ月続く市の祭りであるGiovani Espressioni(英語ではYoung Expressions)の一環として祭りの初日に開催された。Giovani Espressioniそのものは、我々も出演したプロによる公演と、アマのコンテストから成り立っているという。フェスティバルは毎日無料で開催され、我々が帰国してこれを書いている時点でもまだ続いているはずだ。フェスが大きすぎるのか、運営が雑なのか、開催3日前にオープンした(!)今年のGiovani EspressionのサイトのどこにHeron Progが掲載されているのかいまだに発見できていない。もっともHeron Progに関する、案内、レポートはイタリア語のサイトに随分掲載されているので、興味のある方は検索してみてください。
この街を挙げてのお祭りに、なんでプログレでなんでアストゥーリアスか、というと、どうやらそれは全てIl Castello di AtlanteのリーダーPaoloの手腕であるらしい。2005年にメキシコで出会った2つのバンド、アストゥーリアスとカステロが、お互いのライブを地元でサポートし合おうと話し合った時に、カステロがいろいろ画策して、アストゥーリアスのためにお客を集めてギャラも出せる方法として、地元のフェスティバルに組み込んだのだ。だからHeron Progは、アストゥーリアスのために生まれたイベントともいえる。Heron Progに予算が付いていて、今回のツアーでは一番多い固定ギャラがもらえた。ヨーロッパの自治体は地域振興のためにこうしたことに予算を付ける。Paoloの本職は銀行員で、ノヴァラ市の自治体にも顔がきくようだが、ほかの地域の例では、街で旗振り役の若いのに、予算を付けている例も結構見聞きする。Paoloは、せっかくはじめたのだからと、Heron Progを続ける意向で、つぎは予算次第だがPFMを呼びたい、と言っていた。
Heron Progのマネジメントは、事実上Paolo一人で切り盛りしていた。アストゥーリアスの他は地元のバンドだし(トリノまで電車で90分の距離)、ステージ設営や運営はプロを雇っていたので、それでもぜんぜん問題なかった。Novara駅への出迎え、見送り、ホテルや食事の世話、ギャラの支払いなど全部Paoloがやっていた。第1回だとこういうものだ。
ちなみにグレート・ケイオスの国イタリアでは、日本人の感覚でものごとを捉えることは不可能に近い(というか他のヨーロッパ人とも合わないようだ)。今回のイタリア公演でも、連絡はこないわ、直前にキャンセルはあるわ、でアストゥーリアスの面々はさぞかし気を揉んだことと思う。そもそもイタリア人は「ぎりぎりまで準備しないで、直前になってあわててばたばた動いて、なんとかしてしまう」という技を駆使するので、二ヶ月前には準備万端という我々からすると、直前の事態の急展開に驚かされることばかりだが、それでもローマで暖かく迎えられたり、ノヴァラの大会場にびっくりしたり、といいほうに転ぶことも結構ある。
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Saturday, June 23rd PROGRESSIVE LEGENDS SHOWCASE II
Saturday, June 24th
Sunday, June 25th
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アストゥーリアスが最終日に出演するということもあり25日夜に現地入りしたので、見ることができたのは後半二日間。
*5月26日
Paul Whitehead (USA)
ジェネシス、VdGGのジャケット画で有名なイラストレーターは、アメリカ在住で現在はミュージシャンもやっている。2年くらい前から各地のフェスに姿を現し、自分のバンド、作品のポスターなどを売り込んでいる。 音楽のほうは4人編成による、おどろおどろしいサイバーミュージックで、プログレとは言い難い。
Eclat (France)
イベントの主催者Eclatを見るのはBajaProg2005に続いて2回目。いまのところの最終スタジオアルバム『Le cri de la Terre』からは4年経っているので、音楽もメンバーもだいぶ変化している。Eclatは、初期のロック・テアトル(ANGEみたいなやつね)風のものから、序々にソリッドなものに変化してきており、ジャズロックの要素も持っている。現在は、浮かんでは消えるキャッチーなメロディーの狭間で変拍子を交えてゴリゴリとソリッドなサウンドが唸りを上げる、というスタイルだ。Bajaではまだ演奏していたロック・テアトル風の曲はもう演らずに、アルバム未録音の新曲が増えていた。ギターとヴォーカルを担当するAlain Chiarazzo以外には結成時のメンバーはおらず、また『Le cri de la Terre』時点からもリズムセクションが替わっていて、現在のドラマーはイタリアのOdessaの人。地元だけあってファンが多く、とても受けていた。アンコールあり。
Lazuli (France)
これもロック・テアトル風なところは微塵もないソリッドなバンド。Taalといい、フランスでは流行なのかも。スティック奏者が二人とマリンバ/ビブラフォン奏者を含む編成で、推定年齢30歳くらいと若い。サウンドは90年代クリムゾン風にばしばし決まる変拍子がとても気持ちいい。CDは自主で1枚。自作はMuseaからだそうで、BajaでMuseaの社長が推薦作としてCDをプレゼントしてくれたように力を入れているようだ。若手のホープといったところか。アンコールあり。
*5月27日
Asturias (Japan)
アストゥーリアスは、スケジュールの都合で最終日のトップに登場。やや緊張気味に始まるも、スタートすれば手練れの人たちなので、すぐにペースに乗る。反応はメキシコと似ていて、お客は最初はアコースティックにちょっと戸惑い、でも優美なメロディーが心の中に序々に浸透していくようだった。終わってみれば大歓声。大山さんのフランス語棒読みMCも受けてた。このあたりの配慮は結構重要なんだよね。南仏はパリあたりに比べて英語を話す人が少ないし。当然アンコール。「邂逅」の評判がよく、CD売り場ではこの曲が入っているCDを探しているお客が多かった。
Baraka (Japan)
日本のギタートリオ。ギタリスト高見一生は、ばんどびびるやFlogflavorにも参加していてひっぱりだこの人だ。いわゆるプログレ的な要素は少ないんだけど、とってもロックな人たちでノリがよく、またステージパフォーマンスもカッコいいので、人気があった。日本では年間に何十本もライブをこなしていて、シルエレにも出演することがあるので興味を持った人はライブをみてください。彼らのマネジメントがフランス関係に強い縁で出演したそうだ。10月のEclat来日はBarakaと共同でサポートすることになっている。アンコールあり。
RPWL (Germany)
ドイツのフロイド風新世代バンド。演奏、構成、雰囲気などなかなかいいし、ライブ慣れしていて受けもいいがが個性には欠ける。ジェネシス風が多いネオ・プログレのフロイド版といったところか。Porcupine Treeともちょっと雰囲気がかぶる。各地のフェスティバル出演者によく見かけるので活発に活動しているのだろうが、日本では人気が出ないタイプだ。フロイド曲も含めてアンコール2回。もちろんフロイド曲が一番受ける。
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4日間開催され12バンドが出演した。
Wednesday 24 May
John Slade Band (France)
Lord of Mushrooms (France)
Tai-Phan (France)
Thursday 25 May
Il Castello di Atlante (Italy)
Mangala Vallis (Italy)
Soft Machine Legacy (England)
Friday 26 May
Paul Whitehead (USA)
Eclat (France)
Lazuli (France)
Saturday 27 May
Asturias (Japan)
Baraka (Japan)
RPWL (Germany)
地元フランスから4バンド、他はイタリア、イギリス、ドイツ、アメリカ、日本の5カ国から遠征してきているが、日本からのバンドは初出場にもかかわらず一気に2バンドも出演したのはトピックだろう。イタリアからも2バンド。南仏からは イタリアは地域的に近いので、交流が多いのだろう。Mangala Vallisは元PFMのヴォーカリスであるベルナルド・ランゼッティを擁して活発に活動している。 Il Castello di Atlanteは、10月のポセイドンフェスにも来日する。Tai-PhanはKhanがまだ在籍して9人編成だそう。Paul Whiteheadは、初期ジェネシスのジャケット画家率いるサイバーミュージック。Lazuliは、Bajaで見損ねたばかり(彼らの本番がinterpose+のサウンドチェックと重なった)。ぼくらは25日深夜の到着だったので、後半二日を見ることができた。
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2006年にアストゥーリアスが出演したフランスのProg'Sudは、マルセイユ近郊のライブハウスで毎年春に開催されているヨーロッパ有数のプログレフェスティバルだ。
出演しているバンドの傾向は、ヨーロッパのフェスには珍しく、シンフォ、ジャズロック、シリアス系、などバランスよく配している。ヨーロッパでは、ネオ・プログレやメタル・プログレの勢力が強く、フェスティバルに出演する顔ぶれも日本で人気のあるプログレバンドとはだいぶ傾向が異なることが多い。地元フランスのバンド比率も高く、例年フランチャイズのEclatも含めて半数弱はフランス勢が占めている。
2000年に第一回目以来、毎年開催されている。当初は2日間7バンドだったものが、2006年は4日間12バンドにまで拡大した。出演しているなかで、大物クラスはSoft Machine Legency, Caravan, Balletto di Bronzo, Tai-Phan, Mirageなど。彩りを添えているのが、Mats/Morgan, Iconoclasta, Madrigal, Fragil など。歴史を辿って行くと、その年に他のフェスティバルにも出演して活発に活動していたバンドが出演しているのが懐かしい。After Crying, Cast, DFA, Ricocher, Odessa, Trespass, Minimal Vital, Flamborough Head,Ken's Novel, Lord of Mushrooms, Mangala Vallisなどがこれにあたる。
主催者のAlain Chiarazzoは、プログレバンドEclatのリーダーでもあり、Eclatも毎年ホームグラウンドとして出演している。Eclatは各国のバンドに、このProg'Sudへの出演と引き換えに地元のフェスティバルへの出演を斡旋してもらっているようで、近年海外フェスへの出演数が激増している。ほかならぬポセイドンでもバーターで、10月のフェスに出演してもらうことになっている。
特徴は、お客が明るくて開放的だということだろう。いい演奏に対してはとことん賞賛して、拍手も盛大だ。アストゥーリアスも大好評だった。南仏はパリなどに比べるとおおらかでノリがいい。反面、リッチな人は少ないようで、大好評でも物販はあまり売れない。客層はプログレファンよりも地元の人たちが多そうだった。イタリアやパリから見に来ていた人もいたが、それは少数派。地元でのプロモーションに成功しているようだ。
日本のバンドは人気がある。フランスはプログレ弱小国で他国のプログレの人気があるのと、フランス人はそもそも日本びいきだからだ。だから今回は、とんとん拍子に話が決まって、日本から2バンドが遠征することになったのだと思う。
ヨーロッパに多くあるケースだが、会場は郊外で車がなければアクセスできない。マルセイユから飛ばして1時間弱だろうか。500人収容のPAが完備されたホールを使っていた。騒音の心配はないようで、サウンドチェック時には会場の扉を大きく開いていた。バンドは15年、フェスは7年続けているAlainは堅実に経営しているようで、バンドの海外公演やフェスに自治体や芸術団体からの援助を受けている。アストゥーリアスへのギャラもその資金でまかなわれたそうだ。
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2006年3月にメキシコで開催されるBajaProg2006の日程が発表になった。11ヶ国から21バンドが参加する。日本のinterpose+はイングランド、ネクターと同日にメインステージに出演。サブステージ出演の金属恵比須も、各地のフェスティバルに出場しているバンドと並んでいる。Bajaの特徴である意表をついたバンド選択は今年も健在で、ハットフィールド、マリリオン、フラワーキングスといった定番バンドと共に、SBB、イングランドやトレッティオアリガ・クリゲットなどの古豪を復活させている。交渉していたアトールは結局バンドが空中分解したらしい。この中でぼくのイチオシライブバンドはスペインのアマロック。
Wednesday, March 8th.
Thursday, March 9th.
Friday, March 10th.
Saturday, March 11th.
*印はサブステージに出演
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ロサンゼルスの街中で開催されていたProgFestに比較してNEARfestはアクセスしにくい。主催者のwebにも、道路マップは載っているが鉄道でのアクセス方法は掲載されていない。車で動くアメリカ人にはヨーロッパ人や日本人は電車で移動しているなんて知らないのだ。開催地のベツレヘムは、フィアデルフィアから車でも鉄道でも1時間程度。鉄道が皆無な西海岸と違って東海岸は鉄道網が発達している。日本からフィアデルフィアに行くには経由便しかないが、直行便があるニューヨークからも車や鉄道で二時間程度。会場から一番近いオフィシャルホテルは歩いて7分ほど。
もちろん観戦ツアーがあればそれが一番便利だろう。今回はKENSO関係の観戦ツアーがあって、日本からも10人以上が来場していた。もっとも、多くを占めた女性の全員が光田さんファンだったらしく、二人の男性ツアー参加者以外は、KENSO出演時だけ客席にいたようだ。
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NEARfestの特徴の源となっているのは、USA東部という地域性(ヨーロッパに近く、真面目)と、主催者Robert LaDucaの出自だろう。Robは大学の助教授が本職のプログレファンで、他のフェスティバルであるProgDayのスタッフとして働いてフェスティバル運営のノウハウを学んだ。音楽業界外の出身で経験はないが、用意周到なのだ。選択するバンドの演奏力はしっかりしている。
これに対して、90年代に一世を風靡した西海岸(陽気でおおらかな風土)のProgFestの主催者はSyn-Phonicの代表者Greg Walkerで、長年プログレCDの通販、卸、さらにはレーベル運営をしてきている。SorarisやSupersisteを再結成「させて」出演させるなど、夢のフェスティバルを実現してきたが、反面ライブ経験のほとんどないバンドを招聘してしまうなど、いかにもCD屋らしいところがある。
メキシコのBajaProgの主催者であるAlfonso Vidareは、プログレバンドCastのリーダーだが、本職は法律家で地元の名士だ。地元との繋がりの中で、多数のスポンサーを獲得してフェスティバルを開催している。BajaProgはCastがツアーして世界各地のバンドと交流している一環とも見える。
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フェスティバルを外から見て最も目立つのはもちろんバンド選択だ。それが特に今年はきれいに構造化されている。各日2バンドは集客の期待できるネームバリューのあるバンドが選ばれていた。今年は、オルメ、IQ、KENSO、Presnt。予算はこの4バンドに集中しているだろう。大会スポンサーの2レーベルであるLaser's EdgeとCuneiformからやはり2バンドづつ、Night Area, WobblerとPresnt, Muffins。この4バンドの紹介時には、レーベル名もアナウンスされていた。
Presntは両方にあたるので、残るは3バンド、とFrog Cafe, Steve Roacht, Mathew Parmenterだ。全てUSAのミュージシャン、しかもソロが二人もいるのは、やはり予算不足をうかがわせる。。プログレのサブジャンルをバラエティー良く配置するのはNEARfestの方針だ。レコメンバンドは第二回である2000年から毎年出演している。ネオ・プログレ・バンド、サイケっぽいバンド、メタル・プログレ・バンド、アンビエント/エレクトロニクスなどをメインであるシンフォニックバンドの間にバランスよくはさんでいく。
NEARfestのポイントはこうした秩序だ。しかし、秩序を優先するあまりNEARfest2005は小さくまとまってしまった印象を受けた。NEARfestがかつての創世記のエネルギーを取り戻すことをぜひ期待したい。そのNEARfest2006には日本のKBBの出演が決定した。BajaProg2004で2000人の観客の大喝采を生んだ興奮が再現されるのは必至であり、NEARffest再興の一助となれればと思う。なにしろアメリカ人の観客はノリがよくて、良いものに対してはすぐに反応するから。
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2005年のNEARfestは、フェスティバルが安定期に入ったことを示すように、無難なバンド選択、危なげない運営、など予定調和的に見えた。スケールダウンした昨年にもこれは同様だったが、昨年は無名のフィンランドのサイケ・プログレ・バンドHidria Spacefolkが大受けして、新鮮な驚きがあったし、難易度が高そうなUnivers Zeroの招聘に成功していた。今年はそうした「花」がなく、KENSOの大健闘、大トリのオルメがプログレファンウケがよく、最後のこの2バンドの連発でいい印象でフェスティバルを終えられたが、それまでの内容は大フェスティバルに成長したここ数年のなかでは低調だった。
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1999年から開催されていて今年で7回目になるNEARfestは、初年度が400人収容のホール、2000年から2001年が1000人収容のホール、2002年から2003年が2000人収容のホール、と規模を拡大してきたが、2004年からは再び1000人収容のホールにスケールダウンしている。2000人の観客は来場するのだが、コスト上昇分のほうが大きく赤字になるとのこと。出演バンドもCamel、Magma、Steve Haketteなどの大物がいなくなってしまって寂しい面はあるが、そうした大物は日本にも来日するので見ることができるのに対して、初見の中堅以下のバンドを目の当たりにできる現在のフォーマットでも、個人的には十分うれしい。
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NEARfestはマーケティンングっぽい。プログレマジョリティーであるシンフォはPFMとオルメでしっかり押さえて、レコメンのPresent、カンタベリーのMuffins、ポンプのIQやKnigth Area、アンビエントなSteve Roach、地元のヒーローMathew ParmenterとFrog Cafe、期待の新人Wobblerなど意識的にヴァラエティー豊かなバンドで構成している。参加バンドの出身国も、地元USA、イギリス、イタリア、ベルギー、オランダ、ノルウエー、日本の7カ国。バランス感覚に優れていて、たいていのプログレファンは満足できる。ただ、裏腹に主催者側の個性は感じられない。主催者のRobert LaDucaは、30歳代の大学教授でプログレファン。スムーズな運営、Roger Deanに依頼している見栄えのいいロゴ、毎年販売開始後すぐに売り切れになるチケットの話題性など、よくも悪くも手際のいい東部エスタブリッシュ的な感覚を感じられる。不定期開催でいつのまにか立ち消えになった西海岸のProgFestに比べたらなんといっても毎年定期的に開催しているのは偉い。
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Knight Area
オランダのネオ・プログレバンド。ギターとキーボードが二人、ヴォーカリストを含む7人編成。ギタリストの一人とベーシストはChriffhangerのメンバーだった。まあなんというか音は普通だけど、メンバーは多すぎるのでは。予定通りホールの外に出る。CDはLaser's Edgeからリリースされている。
The Muffins
アメリカのベテランカンタベリーバンド。フレッド・フリスをゲストに迎えてアルバムを制作したこともある。幾多のメンバーチェンジの後、2000年に再編された現在のメンバーはサックス/キーボード、キーボード/サックス、ベース/キーボード、ドラム、ベースの4人で、全員がMuffinsには長く在籍したキャリアを持つ。ステージではさらに二人のゲストサックス奏者が加わった。渋いジャズロックを演奏した。カンタベリー色は薄い。演奏は巧かったけど、残念ながら曲はつまらなくて旧日の輝きはない。本日一番楽しみにしていたのだけど。もっとも観客は結構喜んでいた。
Parmenter
Disciplineのリーダー/ヴォーカリスト。ピエロのメイクでエレピとアコギの弾き語り。プログレじゃないけど、聴かせどころをこころえていて、とても楽しい。ソロ作として一枚リリースしている。
Kenso
KENSOが出演するから来場した、というファンも特にプログレマニアの中には多かった期待のバンドとして登場した。KENSOツアーで来ていた人が今回のフェスティバルのレベルの低さに驚いて、「みんなKENSOをみたらあんまり巧いのでびっくりしちゃうんじゃない」と言っていたけど、その通りだった。演奏力では文句なくベストアクト。プロを揃えているだけのことはある。ここまで低調だったフェスティバルの雰囲気が、KENSOが登場して一気に高まった。KENSOはフェスティバルを救ったように見えた。それほどよかったし、観客も大喜びだった。トリ以外は普通は受け付けないアンコールにも主催者が応じた。大受けの会場に清水義央は感激して泣いてしまった。いつもは冗長なMCが短かったので国内のライブよりよかったかもしれない。
Le Orme
イタリアのキーボードトリオだが、最近はツインキーボード編成。数年前に「ヘッドライナーじゃなきゃイヤ」と言ってごねて外された経緯がある。そのときは、代わりにGerardが出演した。けろっとして出てくるのはイタリア的だなあ。演奏の直前にやっているサウンドチェックに3時間もかけていた。このへんのやり口は、やりたい放題イタリア人対真面目な東部エスタブリッシュメントじゃ、まあ勝負にならないでしょう。最初の30分は新譜からの演奏でつまらなかったけど、残りの90分はUmo de Pezzaa, Contrappunti, Ferona eSoronaからの演奏で大満足。かつてよりタイトだけど相変わらずテクニカルとは言いがたいけどなんといっても暖かいメロディーを大事にした演奏をバックにAldoの頼りげのないヴォーカルが醸し出す雰囲気は最高。70年代の全盛期に活躍したキーボードプレーヤーであるトニーはもういないけど、演奏にはあまり影響はない。ということで、満場のスタンディング・オベーションでフェスティバルは大円段を迎えた。とりあえず、終りよければすべてよし、となった。
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Wobbler
Wobblerはノルウェーの、ヴォーカル/木琴、フルートを含む六人組によるダークな色彩の新人プログレバンドで荘厳な感じがするので、ちょっと厳かに一日が始まる。アネクドテンなんかに近い感じで、メロトロンも多用する。雰囲気はいいんだけど、印象に残るメロディーはひとつもないので、オープニングアクトどまりかな。でもこういうバンドは、日本に絶対に来ないだろうから、B級プログレファンとしてはとっても楽しめる。CDはweb販売のみのデモと、Laser's Edgeから一枚リリースしている。White Willowと親交があり、Wobblerから二人のメンバーがWhite Willowに参加している。
Frogg Cafe
アメリカの新人バンドで、トロンボーン、ヴァイオリン、ヴォーカルを含む7人編成。変拍子がザッパだったり、ヴォーカルコーラスがジェントルジャイアント的だったり、多様な楽器による音の厚みが楽しかったりはするものの、やはりメロディーは凡庸で、独りよがりな感じ。アメリカのバンドは、明るすぎる雰囲気と単調な展開が欠点だけど、このバンドもその例に漏れない。煩いので寝ることもできず、二曲聴いて表に出ると、ヨーロッパ趣味の仲間はほとんどロビーでたむろしていた。CDは自主レーベルから4枚リリース。
Steve Roach
環境ビデオをバックにひとりで積み上げたシンセを演奏。ジャーマン・エレクトロニクス的だけど、どこか乾いたアメリカ風。演奏は映像とよくマッチしていた。気持ちよく寝てしまった。CDは多数。
Present
本日最も期待していたベルギーのレコメンバンド。1998年にボンデージ・フルーツとヨーロッパツアーをして以来の再会となった。元Univers Zeroのロジェ・トリゴー率いる、サックス、チェロ、鉄管(!)を含む、8人組。独特の変拍子を多様した暗黒ロックは磨きがかかっているが、シンフォ・ファンの観客にはきついらしく100人くらいは途中退場した。クライマックスまでの盛り上げは迫力があり、鉄管を打ち鳴らすラスト曲は大受けだった。初期のような印象的なメロディーがあるといいのだけど。退場する人がいる一方、ラストは総立ちで感動的なフィナーレだったという客を選ぶ音楽であった。今回はアメリカツアー中。CDは6枚(1枚は2 in 1)リリースしている。初期作品にいい曲が多いけど、90年代に復帰後のCDも作品をリリースするたびにレベルアップしている。
IQ
本日のトリはIQ。イギリスのマリリオンと並び称されるネオ・プログレバンド。ヴォーカリストを含む5人組。照明やビデオなどの演出は凝っていてなかなか見せる。初期に在籍したヴォーカリストであるピーター・ニコラスが戻ってきていてなかなかいいけど、テクニカルな面ではみるべきところはなく、構成が単純で曲毎の違いが良くわからない。70年代ジェネシスに影響された初期の曲は好きなんだけど、現在は80年代ジェネシス的で趣味に合わない。ちょっと聴いて退散して体力を明日に温存しました。でも日本では想像がつかないくらい人気があり、大喝采を受けていました。
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金曜日のプレデーはProgressive Artsという別の団体の主催だが、実質的にはNEARfestの初日として捉えられている。同じ会場だしチケットもも同時に買えるし。従来はあまり人気のないバンドが出演していてパスしてしまうお客も多かったのだが、今回はプレデー始まって以来の大物であるPFMが登場した。多分、NEARfestのブッキングがほとんど終わってしまってからPFMからオファーがあって、そのためにプレデーに回したのではないかと思う。フェスティバル2日間より演奏時間が長くとれるので、フェスティバル全体のメインがPFMみたいにも見える。でもチケット代は50ドルで、10バンドで95ドル/二日間のメインイベントに比較して割高感があるのか、チケットは当日でも買えた。今回のPFMアメリカ公演はここだけなんだけどね。
Protto-Kaw
デビュー前のプレKANSASが、未発表レコーディングをCDリリースしてライブ活動もやっている。初期KANSASはアメリカンプログレではいいほうなので期待していたけど、単調でつまらなかった。でも観客には大受けでアメリカ人とは趣味が違うことを痛感。前座だと思っていたら対バンらしくアンコールも含めて95分も演奏したので飽きてしまった。
PFM
二年ぶりに見たPFMだけど、相変わらずの圧倒的なパフォーマンス。管楽器奏者はいないので、ベースのジェバスがちょっとだけリコーダーを吹く。キーボードのプレモリは病欠のため代打の人が来ていた。ドラムのチョッチョは相変わらず元気いっぱいに走り回りマイクを客に向けるけど、こういうの再編以来6回も見ていると飽きる。ムシーダのいぶし銀的なギターは何回聴いてもいいけどね。現メンバーのルチオ・ファブリのヴァイオリンは現在のパガーニより実はPFMにマッチしている。PFMは再編してしばらくは新曲を中心に演奏していたけどあまり受けなくて、2002年の来日を境にあきらめて70年代のプログレ曲によるライブに切り替えた。再編してから二枚目のスタジオアルバムは好きなのでもっと新曲を演奏してほしいけど、受けないんだろうなあ。かつてはアメリカでとても人気があったけど、1977のJet Lag期のツアー以来のアメリカ公演となった今回も、熱狂的な歓迎を受けていた。終わったのは真夜中前でした。
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NEARfestはマーケティンングっぽい。プログレマジョリティーであるシンフォはPFMとオルメでしっかり押さえて、レコメンのPresent、カンタベリーのMuffins、ポンプのIQやKnigth Area、アンビエントなSteve Roach、地元のヒーローMathew ParmenterとFrog Cafe、期待の新人Wobblerなど意識的にヴァラエティー豊かなバンドで構成している。バランス感覚に優れていて、たいていのプログレファンは満足できる。ただ、裏腹に主催者側の強烈な個性は感じられない。主催者のRobert LaDucaは、30歳代の大学教授でプログレファン。スムーズな運営、Roger Deanに依頼している見栄えのいいロゴ、毎年販売開始後すぐに売り切れになるチケットの話題性など、よくも悪くも東部エスタブリッシュ的な感覚を感じられる。不定期開催でいつのまにか立ち消えになった西海岸のProgFestに比べたらなんといっても毎年開催しているのは偉い。
1999年から開催されているNEARfestは、初年度が400人収容のホール、2000年から2001年が1000人収容のホール、2002年から2003年が2000人収容のホール、と規模を拡大してきたが、2004年からは再び1000人収容のホールにスケールダウンしている。2000人の観客は来場するのだが、コスト上昇分のほうが大きく赤字になるとのこと。出演バンドもCamel、Magma、Steve Haketteなどの大物がいなくなってしまって寂しい面はあるが、そうした大物は日本には来日するので見ることができるのに対して、初見の中堅以下のバンドを目の当たりにするの個人的には楽しい。
2005年のNEARfestは、フェスティバルが安定期に入ったことを示すように、無難なバンド選択、危なげない運営、など予定調和的に見えた。スケールダウンした昨年にもこれは同様だったが、昨年は無名のフィンランドのサイケ・プログレ・バンドHidria Spacefolkが大受けして、新鮮な驚きがあったし、Univers Zeroの招聘に成功していた。
NEARfest2006
日本のKBBの出演が決定した。
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米国フィアデルフィア近郊で毎年初夏に開催されているNEARfesは今年で7回目になる。今年は、PFM、オルメ、IQなどをメインに開催される。現在のNEARfestの特徴は、バラエティーに富むバランスのとれた出演者達が、ニューヨークやワシントンなどが近くプログレ人口が多い東海岸のファンの前で演奏することだ。
NEARfestの歴代の出演者には、IQ、Anekdoten、Happy the Man、Il Balletto Di Bronzo、Par Lindh Project、Transatlantic、Deus Ex Machina、Porcupine Tree、Banco、Isildurs Bane、Nekter、Caravan、Steve Hackett、Strawbs、Univers Zero、Magma、Camel、Richard Pinas、Angragaldなどがいる。NEARfestの歴史などは日本語ページを見てください。アップデートができていないのだけど。
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12バンドが出演してプログレ漬けの3日間を過ごす。今年のスケジュールは以下のとおり。
Friday, July 8th
Saturday, July 9th
Sunday, July 10th
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アストゥーリアス
アストゥーリアスの出番はトップ。いつもは7時スタートだけど、最終日の今日だけは5時スタート。そのためもあってか、アストゥーリアスの演奏が開始された時点では、ホールは3/2くらいの入りで、静かに演奏がスタートした。
最初、観客は戸惑っているように見えた。アストゥーリアスに対する予備知識は、観客の大部分はないはずだ。エレキバンドばかりのフェスティバルでアコースティック編成の静かなライブは予想外だったのだろう。拍手はお座なりではなく観客に気に入られている手応えはあった。かといってラテン特有の熱狂的なものでもなかった。しかし数曲演奏していくうちに、観客がアストゥーリアスに序々にアジャストしてホールの雰囲気は変化していくのが手に取るようにわかった。心に浸みいるメロディー、緩急に富んだ曲構成、一聴すると地味だが実に高度なアンサンブル、卓越したソロ。ホール全体がアストゥーリアスの魅力にゆっくりと飲み込まれていった。CDを聴いたことのあるお客が来場する国内のライブでは得られない経験だった。バンドに対しても、観客からのレスポンスが明らかにいい方向に作用していた。アコースティック編成でのライブでは最高の出来だったのでないだろうか。拍手が曲ごとにだんだんと長くなり、いつしか歓声や口笛が混ざり、最後は満員になった会場が総立ちの感動的なフィナーレだった。
セットリスト
アストゥーリアス:大山曜(g), 川越好博(pf), 筒井香織(cln), 藤本美樹(vln)
Ken Henslay Band
70年代に結成され現在も活動しているイギリスのハードロックバンド ユーライア・ヒープの元リーダー/キーボード奏者であるケン・ヘンズレーは、現在はケン・ヘンズレー・バンドとして活動している。BajaProgにも出演していて、最終日に「七月の朝」や「スイート・ドリーマー」などの名曲を演奏した。プログレフェスだったので、バラードナンバーを中心に演ったのかもしれないが、これがなんともフェスティバルの雰囲気ににマッチしていて、大喝采を浴びていた。ケンはオルガンを中心に、リード・ヴォーカル、ギターと大活躍。独特の音色とフレーズのオルガンが聴けるだけでも感激ものなのだが、渋いヴォーカルもとっても魅力的だった。
最後のトラッドナンバー"Lady in Black"には、ヴァイオリニストの藤本美樹がゲスト参加して、楽しそうにケンのギターと二人でフロントで弾きまくりオオウケだった。むさいハードロックバンドの演奏が一時間続いて、最後になって黒髪の小柄な日本人女性が出てきてバリバリ弾いて締めるのは、ベテランのケンが即興で考えたステージ構成だったのかもしれない。藤本美樹は見事にその役をこなし、Fantasmagoriaとアストゥーリアスでの出演と合わせて、フェスティバルで一番目立ったプレーヤーだったのは間違いない。
このバンドのベーシストはトラで、ヴァイオリンも弾く正式メンバーが家族の問題で来られなかった。ケンが前日のFantasmagoriaのライブを見て、藤本の起用を思いついたらしい。しかし、ケンのライブは、藤本が出演するアストゥーリアスのライブと同日、というか、その直後にある。技巧者揃いのアストゥーリアスでプレーするだけでも重圧なはずだが、それでもケンのオファーを引き受けて立派にこなしてしまったところが偉い。藤本は本番直前に譜面を渡されて、楽屋でアストゥーリアスの大山曜と練習していた。ベテランの大山から伝授された技も役にたったことだろう。
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ホテル会場に出演するFantasmagoriaは、アメリカ人プログレマニアの間での下馬評が高かった。Fantasmagoriaは全く無名で聴いた者など誰一人いないのだが、それがかえって好奇心を呼んだらしい。日本のバンドのレベルが高いのは既に知られているし、しかもわざわざ海を渡ってくるのだ。なんだか凄そうではないか。まだ聴いてない幻の名盤に心をときめかす心理みたいなものだろう。ただそれは一部のマニアの間での話。大部分の観客にとっては、他のホテル会場出演バンドに対するのと同様に、夜のライブまでの時間つぶしのために足を向けたに過ぎなかったようだ。
日本だったら真夏のような青い空と強い日差しの下で演奏が開始されると、Fantasmagoriaはほぼ一瞬のうちに客の心を掴んだ。ヴァイオリンがリードする派手な曲構成、流麗なメロディーライン、まだ粗いけど20歳代前半のメンバーによるエネルギッシュな演奏、フロントに藤本美樹を配したステージ。プログレファンにも、地元の音楽ファンにも、どちらにも好まれそうなキャラクターだとは予想したいたが、それを遙かに上回る受けかただった。曲は、デモに収録されている以前からのものと、3月のシルバーエレファントのライブで披露したソリッドなものとで構成されていた。デモではフュージョンっぽく聞こえた曲も、ライブではもっと重くなっていた。1時間のステージをFantasmagoriaは若さに任せて突っ走り、その間に客の反応はヒートアップする一方だった。終わってからが大変だった。楽屋がない野外会場なので、観客はいとも容易にバンドメンバーを掴まえられるのだ。サイン、握手、写真撮影、というお決まりのパターンなのだが、藤本を中心にバンドは一躍人気者になってしまい、一時間くらいは会場から出られなかった。
「で、いつフルCDが出るんだ?早く聴きたいよ。バンドもいいけど、藤本美樹は英語で客とコミュニケーションする方法を知っている最初の日本人プログレミュージシャンだね。他のバンドは英単語を3つくらいしか知らないみたいだし。」MuseaのボスBernard。「Fanmtasmagoriaはブライテストホープ」主催者のAlfonso。その他賞賛多数。
演奏技術レベルが高いバンド、アンサンブルかまとまっているバンド、新しいアイデアを提示しているバンドはほかにもいた。でもFantasmagoriaには、あのライブ会場で他の誰よりも客を熱狂させる魅力が確かにあった。若いバンドの世界デビューとしては十分過ぎる出来映えだったことは間違いない。まだデモしかリリースしていないFantasmagoriaを抜擢してくれた、主催者のAlfonsoの英断に感謝。
■Fantasmagoria http://www.fantasmagoria.info
藤本美樹(Vln) 小谷竜一(Key) 尾崎淳平(Gt)吉田健太郎(B) 佐藤将一(Ds)
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4日間のフェスティバルが始まりました。出演した5バンド中、4バンドがヴァイオリン/ヴィオラ奏者を擁しています。飛び道具を活発に使うプログレフェスらしいところです。アストゥーリアスとFantasmagoriaは、他のバンドの状況をみながら自分達のライブの構成を微調整して週末の本番に備えています。
ホテル会場
Jacques Menache
メキシコシティーの大編成バンド。ギター二人、キーボード二人、ベース、ドラム、ヴォーカル、サックス、フルートの九人組。曲はタイトなインスト部分と、女性ヴォーカリストが入るバラード調の部分とで構成されている。メキシコのバンドにありがちだけど、曲や構成はいいんだけど、演奏がいまいち。CDはムゼアで一枚リリースしている。
Il Castello di Atlante
Vinyl Magicで90年代にアルバムデビューしたイタリアのバンド。創造していたよりもずっと老けていて驚いた。1974年結成だそうだ。流麗なメロディーの曲をヴァイオリンを効果的に使った演奏が印象的。イタリアンロックとしては派手さと圧倒的な演奏力の欠如が、長年中堅どまりだった理由のようだ。
シアター会場
Ashtar
オープニングはブラジルのバンド。女性ヴォーカル、ヴァイオリン奏者を擁して、ちょっとメタルが入った派手なプログレ。緩急心得た曲構成でオープニングアクトとしてはいい選択なのでは。ルネッサンスやロレーナ・マッケニットのカヴァーも演奏したが、ちゃんとこのバンドとしてのアレンジがされていてよかった。CDは二枚リリースしていたと思う。
Taal
初日の話題を独占したのがフランスのTaal。ギター、ベース、ドラム、キーボードにヴィオラ、フルートが加わる。全員バカテクで観客を釘付けにした。プログレだけではなくて、メタル、ジャズ、ケルト的なフレーズが随所に飛び出して面白い。ライブはCDの三倍くらい印象がいい。もうちょっと色気があると大化けするかも。ムゼアなどから4作をリリースしている。
Caravan
オープニングはハードロックバンドみたいで驚いたが、プログレフェスに合わせて初期の名曲を演奏していたので楽しめた。日本公演よりも演奏は良かったけど、やっぱりリチャードのヴォイスが欲しい。
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●NEARfestの運営はとてもスムーズです。カリフォルニアのProgFestは平気で二時間遅れでスタートしていましたが、東海岸のNEARfestのスケジュールはほぼオンタイムです。バンドの選択も、リスナー側の趣味丸出しだったProgFestに比べると、シンフォ、レコメン、ポンプ、メタル・プログレ、スペースロック、エレクトロニクス、フュージョン・プログレ、とバラエティーに富んでいて、どんなプログレファンも満足できるような、マーケティングの発想ができています。演奏力が高いバンドが選ばれているのも、質の維持には重要なポイントです。
●そもそも、主催者のロバートはほかのProgDayというフェスティバルのスタッフを経験するという丁稚奉公時代を経てNEARfestを創始しています。ロックだってビジネスなんだから勉強するわけです。こうしてシステマチックに運営されている反面、残念ながらProgFestやBajaProgで感じられるような破天荒jなエネルギーは感じられません。まあ、ビジネスとして安定して続けるためにはいつまでも無茶をやっているわけにはいかないので、仕方ないですが。
●ファンの気質も上品なWASPが多いせいかロスのProgFestやメキシコのBajaProgに比較するとおとなしく、演奏に対するリアクションも控えめです。東京と大阪のお客の違いみたいなもんでしょうか。
●NEARfestはこれまで毎年出演バンドのグレードも上がり(特に2002年のSteve Hakette, Caravan、2003年のCamel, Magma)、会場の規模も拡大してきたのですが、ここにきてスケールアップも一段落したようで、しばらくは現状維持となりそうです。適正な規模が把握できた、というところでしょうか。この点では、まだまだ上昇機運にあるBajaProgのほうが今や格上になってしまいました。ちなみにNEARfest2005の土曜日のヘッドライナーとして既にIQが決定しています。
●NEARfest2004を一言で表現すると、各ジャンルのベストバンドが集まったイベントでした。チェンバーロックNO.1のUnivers Zero、キーボードトリオNO.1のMetamorfosi、メタルフュージョンプログレというあんまりないジャンルのNO.1であるPlanet X、70年代USマイナープログレNO.1のYezda Ulfa、若手スペースロックNO.1のHidra Spacefolk、ザッパ音楽NO.1のMike Keneally Bandなどです。これは予算上の問題から昨年のようなCamel, Magmクラスを呼べなかったために、中堅どころを充実させた結果でしょう。CamelやMagmaは日本でも見ることができるので、個人的には他のバンドが見られて嬉しいのですが、過去二年間に比べると華に欠けることは否めません。
●これまでに日本から参加したバンドは、2002年のGerardだけです。この時は、なかなかウケは良かったです。テクニカルなパワープログレとして受け取られていましたね。主催者はKBBを大分気に入っているようで、2005年の出演はほぼ決まり、といった雰囲気でした。現在のKBBのライブ・パフォーマンスからみて、出演すればBajaProgに続いて大きな反響が得られることは間違いないでしょう。
●ライブ会場に併設してCD即売会場も設けられています。プログレCD専門店が存在せずメールオーダーに頼っているアメリカのファンにとっては、貴重な「CDを見て買えるチャンス」なので、皆熱心にCDを物色しています。ディーラーと出演バンドの出店が主だったところですが、変わったところでは、無名のバンド、ロジャー・ディーンのキャラクターグッズ会社、プログレweb、プログレ雑誌、プログレフェスなどからの出品もあいます。日本からはポセイドンが参加しているのですが、昨年からDisk Unionも中古LPと紙ジャケCDを売っています。ポセイドンCDのファンはコアなファンが多くて、最近はお客の顔を見ただけで買ってもらえそうかどうかわかるようになってきました。
●いつでも誰とでも会える東京と違い、広大なアメリカではフェスティバルがプログレ業界の寄り合いの場みたいになっていて、会期中にはビジネスミーティングがそこここで行われています。このあたりはコンピュータ業界の展示会と一緒ですね。CDレーベルとコンサート開催の両方を運営しているポセイドンにとってはとてもいいビジネスチャンスなので、バンドとの出演交渉、雑誌やweなどへのプロモーション、他レーベルやディストリビューターとの連絡など朝から晩まで埋まったスケジュールをこなしてきました。
●二日間で10バンドも出演すると、全部ガツガツ見なくてもいいや、というお気楽な気分になってきます。というか、朝11時から12時間に渡るスケジュールを全部真剣に見ていたら疲れちゃいます。ということで、****の出演時なんか、知り合いがほぼ全員ロビーにたむろしていて面白かったです。気の合う仲間は趣味も一緒です。もっとも会場内では随分受けていましたけど。
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●Hidria Spacefolk
フィンランド産スペースロック with トラッドテイスト。無名なんだけど偶然にもCDを聴いていたので、今回のブライテストホープだと予想していましがたが、グループはとっても良くて、凄いウケかたでした。こういう音楽はライブに向いているしね。未知の若くてエキゾチックないいバンドが見つけられるのはフェスティバルの醍醐味です。持ってきた200枚のCDはあっという間に売り切れ、メンバーが会場内にいるとすぐにファンに捕まって歩けなくなる、というKBB@Baja2004と同じ状況でした。日本でROVOと共演すると面白いでしょうね。
●Metamorfosi
ついに世界デビューした古のイタリアンB級へヴィーシンフォバンド。キーボードトリオ+ヴォーカリストによる四人編成。70年代の録音よりも巧くなっていて、今回出演したなかでは一番プログレらしいバンドでしょう。イタリアのお家芸ともいえる、分厚いキーボードと太くて伸びやかなヴォーカルは圧倒的な迫力で、今やイタリアの一流どころと立派に肩を並べELPが創り出した世界の21世紀の継承者はメタモルフォジに決まり、といった感を強く持ちました。旧譜である「地獄」と、新譜の「天国」をフルに演奏して大好評でした。そう、1990年代に再結成されて衰えを感じさせない新譜も出しているバリバリの現役なんです。
●Strawbs
かつてはリック・ウエイクマンが在籍したり、メロトロンが入ったリリカルなアルバムをだしたりとプログレちっくな活動をしていたのですが、今やプログレというよりしわがれ声のフォークです。メンバーは60歳くらいだと思うのですが、とってもパワフルでいい演奏でした。ロンドンのパブの雰囲気でしょうか。ステージにはメロトロンも置いてありましたが、途中退場してビールを飲みに行っちゃったので、どう使ったかはしりません。
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Saturday, July 10th
●Yezda Urfa
こんなバンドが出演するとは!! と驚かれていたのがYezda Urfaです。誰も知らなかった70年代のマイナープログレバンドをSym-Phonicレーベルが発掘してきたときには驚きましたが、まだ現役だとは更にびっくりしました。Gentle GiantとYesをミックスしたようなテクニカルなアンサンブルをキャッチーなメロディーを取り混ぜて演奏していました。再編成後してからのリハーサルが不足しているのか、ギターとベースがいまいち合っていないのが残念でしたが、「見ることができただけでも奇跡みたい」な体験でした。新譜が出ていますが、まだ聴いていません。
●Richard Pinhas
エルドンのリーダーです。ビデオをバックにフリッパートロニクスみたいなギターを聴かせます。淡々とした演奏でエルドンのような破壊力はないのですが、音の発展のさせ方に独特のアプローチがあって飽きさせずに聴かせているのはさすがでした。ビデオを使ったのはピナスの他にはUnivers Zero, Hidra Spacefolkがあり、例年よりも多かったですが、どれもレベルは高かったですね。ちなみにピナスとは、パトリック・ゴーディエ、パガノッティ親子と一緒に来日して、エルドン、ヴェードルジュ、パガ、ゴーディエの曲をやろう、というプランを検討したことがあるのですが、立ち消えになっちゃいましたね。
●Univers Zero
それぞれ楽しめましたが、白眉はやはりトリのUnivers Zeroでした。今回は六人編成です。
結成30周年記念、初のUSAライブということで気合の入った演奏で名曲の数々を披露しました。もっとも、暗ーいゼロと底抜けに明るいアメリカ人との対比はちょっと異様でしたけど。興味のないライブはパスする人が多いこともあり、途中で10%くらいは帰っちゃいました。
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NEARfest2004に来ています。http://www.nearfest.com/ 東海岸のフィアデルフィア近郊です。日本人はディスクユニオンの人が一人と、地元に住んでいる女性が一人、それにフェスティバルの常連である上田夫妻がいるだけです。Pre-Dayは、GenesisのカバーバンドThe Musical Boxが二時間演奏しました。演奏力は並なのですが、ガブリエル役のコスチュームとアクションを見ているだけで楽しめました。会場である1000人収容のホールはすでにプレデーから満員です。
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そしてこれから...
昨年のArs Nova、今年のKBBと二年連続してぼくがブッキングして連れてきたバンドが大好評だったので、主催者のアルフィンソにはとても気に入られたようだ。今や世界最高の内容を持つフェスティバルに成長したここに、多分毎年日本からバンドを出場させることになるだろう。既に来年のことについてもミーティングして、ほぼ話をまとめてきた。
一方、KBBの次なるターゲットは東海岸のNEARfestだ。2作目のCD「Four Curner's Sky」完成時にNEARfestに送ったところ、いたく気にいってもらえたのだが、あいにく2004年大会は全ての出場バンドが決まった後だった。このため、KBBはNEARfest2004キャンセル待ちバンドリストの一番上に現在でもいるし、2005年出場のプライオフィティーが最も高いバンドだ。
ちなみに、2003年の記録はここにあります。2004年記録も近日中にアップ予定。http://www.musicterm.jp/poseidon/bajaprog/
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ラテンアメリカプログレ分析
Bajaで4日間もラテンアメリカのプログレを大量に聴かされていると、傾向と対策が見えてくる。出場していたのは、チリ、ヴェネズエラ、メキシコ、ブラジルから合計6バンド。さらにスペイン語の本拠地スペインからも2バンド招かれていた。大国アルゼンチンからの出場はない。経済危機によるものだろうか。
音楽的な特徴はどのようなものか? まとめると、こけおどし的な派手な展開、無意味に長い曲、頻繁かつ強引な転調、ヴァイオリンやフルートなどの飛び道具の多用、レベルの高いヴォーカリスト(インストは少ない)、などによるヘヴィーシンフォである。ライブで観客の反応を見ていると、これらのポイントは、「熱しやすく冷めやすいラテン人気質」というユーザーニーズを汲み取ったものだということがよく分かる。とりあえず一曲名は口笛と歓声で過剰に反応する。が、しかし飽きてくるとさっさと見切りをつけて席を立ってしまう。飽きられないためには、バンド側には派手であること、目先をころころと変ること、が必要になる。こうした方向性の音楽で完成の域に達しているのは、イタリアのバンコやオザンナである。一方現役のバンドの多くはそこまでの技は持ち合わせていないので、単なるど派手な音楽や展開方法がワンパターンでつまらない音楽に聴こえてしまうことが多い。そうした中で今回出場したチリのMATRAZは、まだ未完成ながらソリッドなアンサンブルとパワフルな女性ヴォーカリストのマッチングが良く、ぜひまた見たいバンドだ。
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世代交代
BajaProg2004にはスウェーデンのAnekdotenとイタリアのDeus ex Machinaが出演していた。奇しくもこの2バンドはProgFest'95で世界デビューを果たしている。また、日本のArs NovaもProgFest'95で世界デビューした「95年組」に数えられる。この3バンドにスウェーデンのFlower KingsやPar Lindhを加えた5バンドが各地のフェスティバルで引っ張りだこになった、過去10年の売れっ子バンドである。アメリカ勢のSpock's Beard, Echolyn, Mastermindなどは、95年時点ではほぼ同クラスにあり、ヨーロッパにもツアーしていたが、その後は元気がない。
さて、Bajaで見たAnekdotenとDesu ex Machinaはどうだったかというと、両者ともにプログレシーンでの中堅バンドとしてそれぞれの存在感持つまでに成長していた。独自の世界観を貫いているAnekdotenはディティールが繊細になり、相変わらすユニークでプログレファン受けする音楽を奏でる。DxMは、初期の強力なヴォーカリストを活かしたパワフルな音楽から、より複雑な曲構成となりテクニカルでジャージーな方向へと進化した。しかし、両者ともにデビュー当時のインパクトは既になく、今後の10年間の担い手とは考えづらい。このことは、他の3バンドにも同様に当てはまる。
一方、1995年当時に活動が活発化したこの5バンドと同程度のクオリティーを持ち後に続く者は、結局のところ現在に至るまで現れていない。これは、ファンにも業界にもフラストレーテッドなことであり、無意識のうちにも有望な新人を切望する機運がある。フェスティバルで初見の新人バンドのパフォーマンスに感激する、といったことは滅多になくなっている。KBBの演奏がBajaProgで、Arti e Mestieriよりも、Anekdotenよりも、Soft Worksよりも、DxMよりも人気があったのは、実力もさることながらこうした気分によるところが大きい。ではKBBが今後10年間をリードするのか、というとそれはBaja一回ではまだわからない。しかし、大きなポイントと考えられるのはKBBが依然として急激な成長期にある、ということだ。KBBの1作目から2作目のCDへの変化を聴けば、このことに異論はないだろう。海外でもKBBは2作目で著しく進歩した、と見られている。これに対して、上記の5バンドは、世界デビュー時には成長期を終えようとしており、その後の10年は成熟期だった。Baja出場時の評価で、KBBは世界のトップランカー入りした。ポテンシャルは認められたが、その地位に留まれるかどうかは今後のクリエイティビリティーにかかっている。
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ホテルと会場内では、みんなが「ライブ、良かったよ!」とか「グレイト!」とか声をかけてすれ違っていく。日本ではこんなことは経験したことがないので、メンバーは戸惑う。出演ミュージシャンも、「とっても良かったよ」と声をかけてくる。Hugh Hopper, Richard Sinclair, Arti e Mestieri, Anekdoten, Deus ex Machina, その他ほとんど全ての出演者が寄ってきて称賛していく。来なかったのそうした場で姿を見かけなかったIQくらいか。野外のホテル会場や、合計2回のパーティーは、こうしたミュージシャン同士の交流の場としてとてもいい。
ホテルは関係者とファンが同宿するプログレホテル状態になっていて、ファンからのサイン責めにあったり、各地のフェスティバルへの出演依頼、他の有力バンドとのツアーへのお誘い、雑誌のインタビュー、CDやDVDのライセンス依頼などのビジネスがあちこちで進行している。各国から集まった関係者には、交流やビジネスの滅多にないチャンスなのだ。中でも初の海外公演となるKBBに対するアプローチはとても多かった。
ホテルのライブ会場でも急遽CD販売&サイン会をやることになる。サインをもらって一言KBBと話そうというファンが列をつくる。他のバンドよりもKBBには女性ファンが多いようだ。ヴァイオリンの調べにうっとりなのか。あまりの好反応に気をよくしたバンドは、次のツアーの検討を始める。現金な奴らだ。というわけで、ホテル会場のライブはほとんど見てません。
シアター会場の本日のハイライトはArti e Mestieri。凄まじい衝撃力に浮かれた気分が一瞬で吹っ飛ぶ。キリコ凄い。世界の壁は厚い。DMメールを出した後でAritを見て良かった。
夜中過ぎにホテルを発ってサンディエゴに向かうので、ファイナルパーティー(要するに打ち上げ)はパスする予定だった。でも、YOU MUST GOと主催者のアルフォンソに言われて顔を出す。フェスティバルのヒーローが欠席するわけにはいかない雰囲気なのだ。会場内で、「どのバンドのライブが今回のベストか」ということが話題になりKBBを挙げた人が多かった。次いで多かったのが、KBBとAritの同率一位であり、この2つが話題のほとんどを占めていた。KBBのことは曲はおろかどんなバンドかすら知らなかった人が多数いて初めて見るインパクトが強かったこと、さらにとても若く見られていて若手のホープだと思われいること、などが評価にゲタを穿かせているとは思う。とはいってもトップはトップだ。素直に喜ぼう。
ホテルに帰って、バタバタ準備してサンディエゴ行きの車に乗り、帰国の途につく。アメリカ再入国でのトラブルが心配されたが、何事もなく無事に帰国。KBBの次の予定は6/13の凱旋ライブ。
ちなみにここでもメンバーが日記を書いています。
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スタートは静かだった。Tsuboyのヴァイオリンソロが始まっても、まだ海外では知名度が低いKBBを知る観客は少なく、みんな腕組みをして聴いていた。おしゃべりしている連中すらいる。しかし、残りのメンバーが登場してファーストアルバム収録の名曲「Catastrophe」に移ると、明かに会場の空気が変わった。名も知らぬバンドが、ダイナミックな曲を柔軟心得た演奏力で表現していくのに驚き、目を見張り、惹きつけられていくのが鮮明にわかった。
[そして興奮はピークに]
1曲終わる毎にとんでもなく大きなリアクションで、拍手と口笛と歓声が返ってくる。海外の観客ば、知名度ではなく曲や演奏の善し悪しに対する反応が本当に素直で、いい演奏をすると拍手喝采だが、しょぼいとブーイングがすぐ飛んでくる。KBBのレパートリーはシンフォニックな曲、ジャジーな曲、ケルト調の曲など多彩で、飽きさせず、そんな観客を虜にしていく。一つの頂点に達したのは、美しく奏でられる「白虹」が終わった瞬間で、観客数5000人ではないかと見まがうような大きな反響だった。
[世界が認めた日]
本編を短めに演奏してアンコールを受ける。ここまでの予定だった。しかし、興奮した観客が終わらせないのだ。手拍子と「Kee! Bee! Bee!」の声が次第に大きくなり、足踏みも加わって、ホールが壊れちゃうんじゃないかと思うほどの震動だった。フェスティバルのしかもオープニング出演なので、そんなにアンコールに応えているとスケジュールが押してしまうはずだが、演奏しないと暴動が起きそうだ。もう一曲だけ、とアナウンスして短めの曲を演奏しやっと開放される。KBBのみならず新世代の日本のプログレが、世界に認知された記念すべき瞬間だった。その後は、会場の至る所でメンバーが声をかけられ、ほんのちょっとスターになったみたいだった。KBBっていい名前だと初めて思った。アンコールで呼びやすいのだ。
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今年から朝食ビュッフェのフルーツに挑戦。なにしろアブナイ生水を吸っているに違いないからちょっと怖い。生果実を食べるだけで冒険なんだから、海外遠征はなかなか楽しい。朝食後にインタビューを受ける。相手は米Expose誌の名物編集長ピーター。巨体を揺すらし、「ああ、シローは魔方陣にいたの。バビロニアは持ってるよ。」とドラマー菅野詩郎が70年代に参加したレアなCDの話題をこともなげに持ち出すので、メンバーが驚く。今回、最も興味があるのはArti e MestieriとKBBだそうだ。ピーターとはもう10年来のつきあいになるが、多少の誇張はあっても嘘は言わない人だ。KBBのセカンドCDは次号でクロスレビューされるそうな。
今日から、ホテルのライブも見る。ホテル会場は昨年までの地下のバーからテニスコートの特設会場に移り、音響も良くなっている。会場は最前列でビデオをまわす熱心なファンから、日光浴をしているカップルまでさまざま。そう、日光浴できるほどメキシコの昼は暖かいのだ。だた夜は上着必須な程度には冷える。ホテル会場のライブは、新人育成が目的なので、内容はのどかなものでした。見ていたKBBはその場でラジオのインタビューを申し込まれて5分間答える。BajaProgのスポンサーにもなっているラジオ局で、こちらに来てから車のラジオでBajaProgのアナウンスをよく流している局だった。ラジオ放送はスペイン語なので内容はわからないのだけど、BajaProgという単語だけは耳に残っている。
夜になってシアター会場に移動する。シアター会場のライブは、まだウオーミングアップ段階で、徐々にお客が増えてきている。地元の英雄CAST、派手な展開のブラジルのバンド、本日のハイライトであるアネクドテンという構成。KBBはラテン流の観客のリアクションに驚く。とりあえずリアクションは派手。口笛と歓声は大きい。特に一曲目は。だからといって大ウケかというとそうでもなくて、つまらないとどんどんお客が減っていく。お客側の視点は、自分がどう楽しむかなので、バンド側もド派手な展開を次々に繰り出してお客を飽きさせないように努力している。が、しかし、たいていの場合はそんなにバラエティーに富んだ技は持っていないのがつらいところ。南米のバンド中心の会期前半はだいたい去年と同じなのでここまでは予想通り。いよいよ明日は本番です。
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たらふくビュッフェの朝食を食べる。昼と夜はちゃんと食べている時間と場所がないのだ。まだ時差ぼけで眠い。ホテル会場の午後の部のライブはパスしてメインのテアトル会場で楽器チェックとCD売り場の設営をやる。本日のライブは、チリのバンドがよかった。だいたいにおいて演奏技術水準は高い。7時スタートのはずが30分押して始まり夜中過ぎに終了するタイムスケジュールは例によってなかなかおおらか。75分の持ち時間は目安ににすぎない。なあんだ、そんなに長く演奏していいんだ、とわかった壷井彰久は曲構成に悩み始める。
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メキシコに到着!
KBBがBajaProg2004に出演するので、メキシコ、メヒカリ市に来ています。メヒカリ市はアメリカ国境沿いの街で、サンディエゴからドライブしてくるのですが乗り換え時間も含めると成田から18時間くらいかかりました。観客の大部分を占めるカリフォルニアの住人にとっては車で行けるところで、近いという感覚らしいのですが。着いたその日は主催者のアフフォンス邸でのウエルカムパーティーがあり、関係者からはKBBはずいぶん注目されていました。特にヴァイオリンの壷井には、ほうぼうから声がかかっていました。今日から4日間は昼夜ライブがあり、KBBは3日目に出演します。
そういえば、どこかの手違いで部屋がブッキングされていない、というしょっぱなからのトラブル。が、とりあえずチェックインできてなんとかなる、どころか広いスイートルームに通される。スタンダードルームは満員らしい。災い転じて福となる、終わり良ければ全て良し、というラテンルールに最初からハマるとは、運がいいのか?
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