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2005年8月

2005-08-02

NEARfest 交通アクセス

ロサンゼルスの街中で開催されていたProgFestに比較してNEARfestはアクセスしにくい。主催者のwebにも、道路マップは載っているが鉄道でのアクセス方法は掲載されていない。車で動くアメリカ人にはヨーロッパ人や日本人は電車で移動しているなんて知らないのだ。開催地のベツレヘムは、フィアデルフィアから車でも鉄道でも1時間程度。鉄道が皆無な西海岸と違って東海岸は鉄道網が発達している。日本からフィアデルフィアに行くには経由便しかないが、直行便があるニューヨークからも車や鉄道で二時間程度。会場から一番近いオフィシャルホテルは歩いて7分ほど。

もちろん観戦ツアーがあればそれが一番便利だろう。今回はKENSO関係の観戦ツアーがあって、日本からも10人以上が来場していた。もっとも、多くを占めた女性の全員が光田さんファンだったらしく、二人の男性ツアー参加者以外は、KENSO出演時だけ客席にいたようだ。

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NEARfestのポイント

NEARfestの特徴の源となっているのは、USA東部という地域性(ヨーロッパに近く、真面目)と、主催者Robert LaDucaの出自だろう。Robは大学の助教授が本職のプログレファンで、他のフェスティバルであるProgDayのスタッフとして働いてフェスティバル運営のノウハウを学んだ。音楽業界外の出身で経験はないが、用意周到なのだ。選択するバンドの演奏力はしっかりしている。

これに対して、90年代に一世を風靡した西海岸(陽気でおおらかな風土)のProgFestの主催者はSyn-Phonicの代表者Greg Walkerで、長年プログレCDの通販、卸、さらにはレーベル運営をしてきている。SorarisやSupersisteを再結成「させて」出演させるなど、夢のフェスティバルを実現してきたが、反面ライブ経験のほとんどないバンドを招聘してしまうなど、いかにもCD屋らしいところがある。

メキシコのBajaProgの主催者であるAlfonso Vidareは、プログレバンドCastのリーダーだが、本職は法律家で地元の名士だ。地元との繋がりの中で、多数のスポンサーを獲得してフェスティバルを開催している。BajaProgはCastがツアーして世界各地のバンドと交流している一環とも見える。

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NEARfest2005 きれいな構造はダイナミズムと相反するか?

フェスティバルを外から見て最も目立つのはもちろんバンド選択だ。それが特に今年はきれいに構造化されている。各日2バンドは集客の期待できるネームバリューのあるバンドが選ばれていた。今年は、オルメ、IQ、KENSO、Presnt。予算はこの4バンドに集中しているだろう。大会スポンサーの2レーベルであるLaser's EdgeとCuneiformからやはり2バンドづつ、Night Area, WobblerとPresnt, Muffins。この4バンドの紹介時には、レーベル名もアナウンスされていた。

Presntは両方にあたるので、残るは3バンド、とFrog Cafe, Steve Roacht, Mathew Parmenterだ。全てUSAのミュージシャン、しかもソロが二人もいるのは、やはり予算不足をうかがわせる。。プログレのサブジャンルをバラエティー良く配置するのはNEARfestの方針だ。レコメンバンドは第二回である2000年から毎年出演している。ネオ・プログレ・バンド、サイケっぽいバンド、メタル・プログレ・バンド、アンビエント/エレクトロニクスなどをメインであるシンフォニックバンドの間にバランスよくはさんでいく。

NEARfestのポイントはこうした秩序だ。しかし、秩序を優先するあまりNEARfest2005は小さくまとまってしまった印象を受けた。NEARfestがかつての創世記のエネルギーを取り戻すことをぜひ期待したい。そのNEARfest2006には日本のKBBの出演が決定した。BajaProg2004で2000人の観客の大喝采を生んだ興奮が再現されるのは必至であり、NEARffest再興の一助となれればと思う。なにしろアメリカ人の観客はノリがよくて、良いものに対してはすぐに反応するから。

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NEARfest2005 安定期に見えた2005年

2005年のNEARfestは、フェスティバルが安定期に入ったことを示すように、無難なバンド選択、危なげない運営、など予定調和的に見えた。スケールダウンした昨年にもこれは同様だったが、昨年は無名のフィンランドのサイケ・プログレ・バンドHidria Spacefolkが大受けして、新鮮な驚きがあったし、難易度が高そうなUnivers Zeroの招聘に成功していた。今年はそうした「花」がなく、KENSOの大健闘、大トリのオルメがプログレファンウケがよく、最後のこの2バンドの連発でいい印象でフェスティバルを終えられたが、それまでの内容は大フェスティバルに成長したここ数年のなかでは低調だった。

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NEARfest2005 急成長を遂げた後でダウンサイジング

1999年から開催されていて今年で7回目になるNEARfestは、初年度が400人収容のホール、2000年から2001年が1000人収容のホール、2002年から2003年が2000人収容のホール、と規模を拡大してきたが、2004年からは再び1000人収容のホールにスケールダウンしている。2000人の観客は来場するのだが、コスト上昇分のほうが大きく赤字になるとのこと。出演バンドもCamel、Magma、Steve Haketteなどの大物がいなくなってしまって寂しい面はあるが、そうした大物は日本にも来日するので見ることができるのに対して、初見の中堅以下のバンドを目の当たりにできる現在のフォーマットでも、個人的には十分うれしい。

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NEARfest プログレファンは満遍なく満足できるフェスティバル

NEARfestはマーケティンングっぽい。プログレマジョリティーであるシンフォはPFMとオルメでしっかり押さえて、レコメンのPresent、カンタベリーのMuffins、ポンプのIQやKnigth Area、アンビエントなSteve Roach、地元のヒーローMathew ParmenterとFrog Cafe、期待の新人Wobblerなど意識的にヴァラエティー豊かなバンドで構成している。参加バンドの出身国も、地元USA、イギリス、イタリア、ベルギー、オランダ、ノルウエー、日本の7カ国。バランス感覚に優れていて、たいていのプログレファンは満足できる。ただ、裏腹に主催者側の個性は感じられない。主催者のRobert LaDucaは、30歳代の大学教授でプログレファン。スムーズな運営、Roger Deanに依頼している見栄えのいいロゴ、毎年販売開始後すぐに売り切れになるチケットの話題性など、よくも悪くも手際のいい東部エスタブリッシュ的な感覚を感じられる。不定期開催でいつのまにか立ち消えになった西海岸のProgFestに比べたらなんといっても毎年定期的に開催しているのは偉い。

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