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2006年6月

2006-06-11

アストゥーリアス伊仏ツアー2006

2006年の5月から6月にかけてフランス、イタリアをツアーしたアストゥーリアスのレポートです。参加したフェスのレポートは、フェスの項目と重複して載せています。ROMA公演レポートは初出です。

5/27 Prog'Sud, Marseille公演

アストゥーリアスは、スケジュールの都合でProgSud2006最終日のトップに登場。ヨーロッパ初ライブはやや緊張気味に始まるも、スタートすれば手練れの人たちなので、すぐにペースに乗る。反応はメキシコと似ていて、お客は最初はアコースティックにちょっと戸惑い、でも優美なメロディーが心の中に序々に浸透していくようだった。終わってみれば大歓声。大山さんのフランス語棒読みMCも受けてた。このあたりの配慮は結構重要なんだよね。南仏はパリあたりに比べて英語を話す人が少ないし。当然アンコール。写真

5/28 Roma公演

イタリアの都ローマでの公演は、大学が近くクラブが集まっているサン・ロレンツォ地区にあるTumbler。前衛芸術団体のホールでの公演が直前に相手の事情でキャンセルされたため、知り合いのローマのバンドAcustimanticoに急遽ブッキングしてもらった。30席くらいの小さなパブで、エレピを載せるとほとんどいっぱいになる小さなステージが片隅にあり、それでも小さなPAがあってバランスはよかった。

AcustimanticoのマネージャーとヴォーカリストRaffaellaがメールで宣伝してくれたおかげで、Tumblerは満員になった。二つのバンドは、どちらもアコースティックで音楽性が近い部分があり、お客も大満足で割れんばかりの拍手でライブは続いた。アストゥーリアスの1時間のセットのあと、Acustimanticoのメンバーがゲストに入って演奏する。アストゥーリアスの「邂逅」に、Acustimanticoのギターとパーカッション、さらにAcustimanticoの数曲にRaffaellaを加えて演奏した。RaffaellaはCDで聴くよりもずっと情熱的に歌い上げるシンガーだった。お店の人たちもアストゥーリアスを随分気に入ってくれて、暖かいライブだった。北イタリアに比べてローマはずっと人間臭い街だ。感情表現が直接的で、いいものに対しては本当に素直に喝采してくれる。写真

6/2 Heron Prog, Novara公演

ミラノ近郊のノヴァラで開催されたイタリアのプログレフェスに出演。この日のトリはArti e Mestieri。タイムスケジュールが大幅に狂い、サウンドチェックはやはり本番直前になる。ちょっと音を出してすぐ本番。8時半ごろでやっと夕闇迫る会場でのスタートとなった。演奏開始間際に、藤本美樹が忘れ物を取りに楽屋に引っ込む。これで皆さん緊張が取れてリラックスして始められたようだ。1時間の演奏中に、公演の奥の森の中で談話していた人たちが集まってきてだんだん会場が埋まってくる。やはり、「邂逅」や「Birds Eye Vew」の評判がよく、拍手が多い。最後にはアンコールを受けて、ツアー最終日を無事に終えたのでした。終演後には、参加全バンド、特にメキシコで同じ舞台に立って以来のアルティーの面々が賞賛しに来ていた。写真 インタビュー ライブレポート

リーダーの大山さんは、さっそく日記を書き始めました。筒井さんのところにも少し載っています。各メンバーも日記を書く計画があるそうです。

●6/17には鎌倉で凱旋ライブがあります。

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Heron Prog vol.1 Report

2006年5月28日、イタリア、ノヴァラ市内の特設野外会場でのフェスティバルの模様

Il Castello di Atlante

Vinyl Magicが90年代に開始したNew Italian Progressiveの代表格としてデビューしたカステロは、今回の主催者で通産6枚目のアルバムを会場で発表していた。74年に18歳前後で結成してからしぶとく活動している。メンバーは、2004年発表のCD「QUINTESSENZA」から変化はない。

それでライブなんですが、いや、その、見ることはおろか聴いてませんでした。運営上の都合で、なんと、5時ごろにサウンドチェックの直後に2曲演奏したのが本番だったとは。なんでもメンバーの一人がオーケストラの仕事でライブの直後に、ノヴァラを発たなければならなかったのだけど、設営やサウンドチェックなど全てが(イタリアの常で)遅れたためにそうなったそうな。本番っぽいMCがあったので、アストゥーリアスの面々には「なーに、イタリアではかっこつけてMCのリハまでやるらしいよ」としたり顔で説明して恥をかいてしまった。公演の自然の中で空を見上げて寝ている時に演奏していた2曲は、彼ららしい美しいメロディーとたたみかけるようなイタリアンロックの典型的な構成を持った、いい曲でした。

Calliope

カステロと同様に、Vinyl MagicのNew Italian ProgressiveAsturiasの代表格だったバンド。Vinyl Magicの後は2002年にBeppeのElectromanticレーベルから今のところの最新作「GENERAZIONI 」をリリースしていて、このあたりもカステロに似ている。両バンドともBeppe子飼いなのだろう。つまりは、このフェス自体がBeppeの地域でBeppeの師弟が身内を集めて開催しているようにも見える。

さて、このCalliope、1999年にもライブを見ているのだが、メンバーの出入りが多くて、サウンドも頻繁に変っているようだ。4枚リリースしているCDのうち、ファーストとセカンドは脱退したキーボード奏者主体の突っ走り型イタリアンロック、サードとフォースは地中海音楽。しかし、直前のサウンドチェックから続いて当日演奏されたのはRUSHかと思うような、イタリア的要素はかなり少ないハードプログレ。年間10回ライブ出演しているというだけあって、技術やアンサンブルはなかなかいい。現在はサードから参加しているキーボード奏者Enrico Perrucciがリーダーで、フォースアルバムに参加しているメンバーでさえ、残っているのは彼だけになってしまっている。1時間ほど演奏。

アストゥーリアス

タイムスケジュールが大幅に狂い、サウンドチェックはやはり本番直前になる。ちょっと音を出してすぐ本番。8時半ごろでやっと夕闇迫る会場でのスタートとなった。演奏開始間際に、藤本美樹が忘れ物を取りに楽屋に引っ込む。これで皆さん緊張が取れてリラックスして始められたようだ。1時間の演奏中に、公演の奥の森の中で談話していた人たちが集まってきてだんだん会場が埋まってくる。やはり、「邂逅」や「Birds Eye Vew」の評判がよく、拍手が多い。最後にはアンコールを受けて、ツアー最終日を無事に終えたのでした。終演後には、参加全バンド、特にメキシコで同じ舞台に立って以来のアルティーの面々が賞賛しに来ていた。

Arti e Mestieri

トリは地元の英雄アルティ。セットリストは来日時と同じだったそうだが、相変わらず圧倒的な迫力で一曲目から飛ばしまくる。アルティ観戦6回目となるぼくは、今回は広い会場のいろいろなアングルで見て回ったのだが、やはり関係者特権でバックステージエリアに入り、ドカドカ打っているキリコの真後ろから見たときがもっとも凄かった。ちなみに、英語だと無口なキリコでもイタリア語では結構MCで話していた。ベッペはメロトロンや古いオルガンは持ち込まず、デジタルキーボード類を並べている。地元なので自分の機材だろうから、これが本来のライブセットなのかも。アルティは今年初ライブだそうで、イタリアでも資金面、運営面などでアルティのライブはそう簡単に運営できないのかもしれないことをうかがわせた。二時間たっぷり演奏して、終演時には真夜中を過ぎていた。街中から程近いのに、午前1時まで音だしがOKとのこと。このあたりはラテン圏内に共通していて、宵っ張りで、音楽に対しては理解がある。

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Heron Prog概要

北イタリア、ノヴァラで2006年6月2日に開催されたHeron Prog vol.1にはつぎのバンドが出演した。

会場はミラノから電車で40分ほどの近郊にあるノヴァラ市の、市の中心から800mほどの街外れにある公園に設営されたオープンエアフェスティバルだった。ノヴァラは日本の観光案内にはほとんど登場しないが、名所がそこそこあり、ロマンチックな街並みがきれいに整備されている心地よい街だった。会場は丘の上の教会と自然に囲まれた広い公演の一角に大きなステージを設営して、1万人クラスの観客が収容できる広大なもの。

Heron Progは、一ヶ月続く市の祭りであるGiovani Espressioni(英語ではYoung Expressions)の一環として祭りの初日に開催された。Giovani Espressioniそのものは、我々も出演したプロによる公演と、アマのコンテストから成り立っているという。フェスティバルは毎日無料で開催され、我々が帰国してこれを書いている時点でもまだ続いているはずだ。フェスが大きすぎるのか、運営が雑なのか、開催3日前にオープンした(!)今年のGiovani EspressionのサイトのどこにHeron Progが掲載されているのかいまだに発見できていない。もっともHeron Progに関する、案内、レポートはイタリア語のサイトに随分掲載されているので、興味のある方は検索してみてください。

この街を挙げてのお祭りに、なんでプログレでなんでアストゥーリアスか、というと、どうやらそれは全てIl Castello di AtlanteのリーダーPaoloの手腕であるらしい。2005年にメキシコで出会った2つのバンド、アストゥーリアスとカステロが、お互いのライブを地元でサポートし合おうと話し合った時に、カステロがいろいろ画策して、アストゥーリアスのためにお客を集めてギャラも出せる方法として、地元のフェスティバルに組み込んだのだ。だからHeron Progは、アストゥーリアスのために生まれたイベントともいえる。Heron Progに予算が付いていて、今回のツアーでは一番多い固定ギャラがもらえた。ヨーロッパの自治体は地域振興のためにこうしたことに予算を付ける。Paoloの本職は銀行員で、ノヴァラ市の自治体にも顔がきくようだが、ほかの地域の例では、街で旗振り役の若いのに、予算を付けている例も結構見聞きする。Paoloは、せっかくはじめたのだからと、Heron Progを続ける意向で、つぎは予算次第だがPFMを呼びたい、と言っていた。

Heron Progのマネジメントは、事実上Paolo一人で切り盛りしていた。アストゥーリアスの他は地元のバンドだし(トリノまで電車で90分の距離)、ステージ設営や運営はプロを雇っていたので、それでもぜんぜん問題なかった。Novara駅への出迎え、見送り、ホテルや食事の世話、ギャラの支払いなど全部Paoloがやっていた。第1回だとこういうものだ。

ちなみにグレート・ケイオスの国イタリアでは、日本人の感覚でものごとを捉えることは不可能に近い(というか他のヨーロッパ人とも合わないようだ)。今回のイタリア公演でも、連絡はこないわ、直前にキャンセルはあるわ、でアストゥーリアスの面々はさぞかし気を揉んだことと思う。そもそもイタリア人は「ぎりぎりまで準備しないで、直前になってあわててばたばた動いて、なんとかしてしまう」という技を駆使するので、二ヶ月前には準備万端という我々からすると、直前の事態の急展開に驚かされることばかりだが、それでもローマで暖かく迎えられたり、ノヴァラの大会場にびっくりしたり、といいほうに転ぶことも結構ある。

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NEARfest2006 Schedule

Saturday, June 23rd  PROGRESSIVE LEGENDS SHOWCASE II

  1. Hatfield & the North
  2. Tony Levin Band

Saturday, June 24th

  1. 11:00 am-12:00 pm KBB
  2. 1:30 pm-2:45 pm Riverside
  3. 3:00 pm-3:30 pm Richard Leo Johnson
  4. 4:45 pm-6:15 pm FM
  5. 8:30 pm-10:30 pm Ozric Tentacles

Sunday, June 25th

  1. 11:00 am-12:00 pm Guapo
  2. 1:30 pm-2:45 pm Niacin
  3. 3:00 pm-3:30 pm Michael Manring
  4. 4:45 pm-6:15 pm Ange
  5. 8:30 pm-10:30 pm Keith Emerson

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Prog'Sud2006 Report

アストゥーリアスが最終日に出演するということもあり25日夜に現地入りしたので、見ることができたのは後半二日間。

*5月26日

Paul Whitehead (USA)

ジェネシス、VdGGのジャケット画で有名なイラストレーターは、アメリカ在住で現在はミュージシャンもやっている。2年くらい前から各地のフェスに姿を現し、自分のバンド、作品のポスターなどを売り込んでいる。 音楽のほうは4人編成による、おどろおどろしいサイバーミュージックで、プログレとは言い難い。

Eclat (France)

イベントの主催者Eclatを見るのはBajaProg2005に続いて2回目。いまのところの最終スタジオアルバム『Le cri de la Terre』からは4年経っているので、音楽もメンバーもだいぶ変化している。Eclatは、初期のロック・テアトル(ANGEみたいなやつね)風のものから、序々にソリッドなものに変化してきており、ジャズロックの要素も持っている。現在は、浮かんでは消えるキャッチーなメロディーの狭間で変拍子を交えてゴリゴリとソリッドなサウンドが唸りを上げる、というスタイルだ。Bajaではまだ演奏していたロック・テアトル風の曲はもう演らずに、アルバム未録音の新曲が増えていた。ギターとヴォーカルを担当するAlain Chiarazzo以外には結成時のメンバーはおらず、また『Le cri de la Terre』時点からもリズムセクションが替わっていて、現在のドラマーはイタリアのOdessaの人。地元だけあってファンが多く、とても受けていた。アンコールあり。

Lazuli (France)

これもロック・テアトル風なところは微塵もないソリッドなバンド。Taalといい、フランスでは流行なのかも。スティック奏者が二人とマリンバ/ビブラフォン奏者を含む編成で、推定年齢30歳くらいと若い。サウンドは90年代クリムゾン風にばしばし決まる変拍子がとても気持ちいい。CDは自主で1枚。自作はMuseaからだそうで、BajaでMuseaの社長が推薦作としてCDをプレゼントしてくれたように力を入れているようだ。若手のホープといったところか。アンコールあり。

*5月27日

Asturias (Japan)

アストゥーリアスは、スケジュールの都合で最終日のトップに登場。やや緊張気味に始まるも、スタートすれば手練れの人たちなので、すぐにペースに乗る。反応はメキシコと似ていて、お客は最初はアコースティックにちょっと戸惑い、でも優美なメロディーが心の中に序々に浸透していくようだった。終わってみれば大歓声。大山さんのフランス語棒読みMCも受けてた。このあたりの配慮は結構重要なんだよね。南仏はパリあたりに比べて英語を話す人が少ないし。当然アンコール。「邂逅」の評判がよく、CD売り場ではこの曲が入っているCDを探しているお客が多かった。

Baraka (Japan)

日本のギタートリオ。ギタリスト高見一生は、ばんどびびるやFlogflavorにも参加していてひっぱりだこの人だ。いわゆるプログレ的な要素は少ないんだけど、とってもロックな人たちでノリがよく、またステージパフォーマンスもカッコいいので、人気があった。日本では年間に何十本もライブをこなしていて、シルエレにも出演することがあるので興味を持った人はライブをみてください。彼らのマネジメントがフランス関係に強い縁で出演したそうだ。10月のEclat来日はBarakaと共同でサポートすることになっている。アンコールあり。

RPWL (Germany)

ドイツのフロイド風新世代バンド。演奏、構成、雰囲気などなかなかいいし、ライブ慣れしていて受けもいいがが個性には欠ける。ジェネシス風が多いネオ・プログレのフロイド版といったところか。Porcupine Treeともちょっと雰囲気がかぶる。各地のフェスティバル出演者によく見かけるので活発に活動しているのだろうが、日本では人気が出ないタイプだ。フロイド曲も含めてアンコール2回。もちろんフロイド曲が一番受ける。

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2006-06-10

Prog'Sud2006開催概要

4日間開催され12バンドが出演した。

Wednesday 24 May
John Slade Band (France)
Lord of Mushrooms (France)
Tai-Phan (France)

Thursday 25 May
Il Castello di Atlante (Italy)
Mangala Vallis (Italy)
Soft Machine Legacy (England)

Friday 26 May
Paul Whitehead (USA)
Eclat (France)
Lazuli (France)

Saturday 27 May
Asturias (Japan)
Baraka (Japan)
RPWL (Germany)

地元フランスから4バンド、他はイタリア、イギリス、ドイツ、アメリカ、日本の5カ国から遠征してきているが、日本からのバンドは初出場にもかかわらず一気に2バンドも出演したのはトピックだろう。イタリアからも2バンド。南仏からは イタリアは地域的に近いので、交流が多いのだろう。Mangala Vallisは元PFMのヴォーカリスであるベルナルド・ランゼッティを擁して活発に活動している。 Il Castello di Atlanteは、10月のポセイドンフェスにも来日する。Tai-PhanはKhanがまだ在籍して9人編成だそう。Paul Whiteheadは、初期ジェネシスのジャケット画家率いるサイバーミュージック。Lazuliは、Bajaで見損ねたばかり(彼らの本番がinterpose+のサウンドチェックと重なった)。ぼくらは25日深夜の到着だったので、後半二日を見ることができた。

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Prog'Sudとは

2006年にアストゥーリアスが出演したフランスのProg'Sudは、マルセイユ近郊のライブハウスで毎年春に開催されているヨーロッパ有数のプログレフェスティバルだ。

出演しているバンドの傾向は、ヨーロッパのフェスには珍しく、シンフォ、ジャズロック、シリアス系、などバランスよく配している。ヨーロッパでは、ネオ・プログレやメタル・プログレの勢力が強く、フェスティバルに出演する顔ぶれも日本で人気のあるプログレバンドとはだいぶ傾向が異なることが多い。地元フランスのバンド比率も高く、例年フランチャイズのEclatも含めて半数弱はフランス勢が占めている。

2000年に第一回目以来、毎年開催されている。当初は2日間7バンドだったものが、2006年は4日間12バンドにまで拡大した。出演しているなかで、大物クラスはSoft Machine Legency, Caravan, Balletto di Bronzo, Tai-Phan, Mirageなど。彩りを添えているのが、Mats/Morgan, Iconoclasta, Madrigal, Fragil  など。歴史を辿って行くと、その年に他のフェスティバルにも出演して活発に活動していたバンドが出演しているのが懐かしい。After Crying, Cast, DFA, Ricocher, Odessa, Trespass, Minimal Vital, Flamborough Head,Ken's Novel, Lord of Mushrooms, Mangala Vallisなどがこれにあたる。

主催者のAlain Chiarazzoは、プログレバンドEclatのリーダーでもあり、Eclatも毎年ホームグラウンドとして出演している。Eclatは各国のバンドに、このProg'Sudへの出演と引き換えに地元のフェスティバルへの出演を斡旋してもらっているようで、近年海外フェスへの出演数が激増している。ほかならぬポセイドンでもバーターで、10月のフェスに出演してもらうことになっている。

特徴は、お客が明るくて開放的だということだろう。いい演奏に対してはとことん賞賛して、拍手も盛大だ。アストゥーリアスも大好評だった。南仏はパリなどに比べるとおおらかでノリがいい。反面、リッチな人は少ないようで、大好評でも物販はあまり売れない。客層はプログレファンよりも地元の人たちが多そうだった。イタリアやパリから見に来ていた人もいたが、それは少数派。地元でのプロモーションに成功しているようだ。

日本のバンドは人気がある。フランスはプログレ弱小国で他国のプログレの人気があるのと、フランス人はそもそも日本びいきだからだ。だから今回は、とんとん拍子に話が決まって、日本から2バンドが遠征することになったのだと思う。

ヨーロッパに多くあるケースだが、会場は郊外で車がなければアクセスできない。マルセイユから飛ばして1時間弱だろうか。500人収容のPAが完備されたホールを使っていた。騒音の心配はないようで、サウンドチェック時には会場の扉を大きく開いていた。バンドは15年、フェスは7年続けているAlainは堅実に経営しているようで、バンドの海外公演やフェスに自治体や芸術団体からの援助を受けている。アストゥーリアスへのギャラもその資金でまかなわれたそうだ。

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