Prog'Sudとは
2006年にアストゥーリアスが出演したフランスのProg'Sudは、マルセイユ近郊のライブハウスで毎年春に開催されているヨーロッパ有数のプログレフェスティバルだ。
出演しているバンドの傾向は、ヨーロッパのフェスには珍しく、シンフォ、ジャズロック、シリアス系、などバランスよく配している。ヨーロッパでは、ネオ・プログレやメタル・プログレの勢力が強く、フェスティバルに出演する顔ぶれも日本で人気のあるプログレバンドとはだいぶ傾向が異なることが多い。地元フランスのバンド比率も高く、例年フランチャイズのEclatも含めて半数弱はフランス勢が占めている。
2000年に第一回目以来、毎年開催されている。当初は2日間7バンドだったものが、2006年は4日間12バンドにまで拡大した。出演しているなかで、大物クラスはSoft Machine Legency, Caravan, Balletto di Bronzo, Tai-Phan, Mirageなど。彩りを添えているのが、Mats/Morgan, Iconoclasta, Madrigal, Fragil など。歴史を辿って行くと、その年に他のフェスティバルにも出演して活発に活動していたバンドが出演しているのが懐かしい。After Crying, Cast, DFA, Ricocher, Odessa, Trespass, Minimal Vital, Flamborough Head,Ken's Novel, Lord of Mushrooms, Mangala Vallisなどがこれにあたる。
主催者のAlain Chiarazzoは、プログレバンドEclatのリーダーでもあり、Eclatも毎年ホームグラウンドとして出演している。Eclatは各国のバンドに、このProg'Sudへの出演と引き換えに地元のフェスティバルへの出演を斡旋してもらっているようで、近年海外フェスへの出演数が激増している。ほかならぬポセイドンでもバーターで、10月のフェスに出演してもらうことになっている。
特徴は、お客が明るくて開放的だということだろう。いい演奏に対してはとことん賞賛して、拍手も盛大だ。アストゥーリアスも大好評だった。南仏はパリなどに比べるとおおらかでノリがいい。反面、リッチな人は少ないようで、大好評でも物販はあまり売れない。客層はプログレファンよりも地元の人たちが多そうだった。イタリアやパリから見に来ていた人もいたが、それは少数派。地元でのプロモーションに成功しているようだ。
日本のバンドは人気がある。フランスはプログレ弱小国で他国のプログレの人気があるのと、フランス人はそもそも日本びいきだからだ。だから今回は、とんとん拍子に話が決まって、日本から2バンドが遠征することになったのだと思う。
ヨーロッパに多くあるケースだが、会場は郊外で車がなければアクセスできない。マルセイユから飛ばして1時間弱だろうか。500人収容のPAが完備されたホールを使っていた。騒音の心配はないようで、サウンドチェック時には会場の扉を大きく開いていた。バンドは15年、フェスは7年続けているAlainは堅実に経営しているようで、バンドの海外公演やフェスに自治体や芸術団体からの援助を受けている。アストゥーリアスへのギャラもその資金でまかなわれたそうだ。
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